【無料の学習プリント】小学2年生の国語ドリル_お話8
今回のプリントは、「小学2年生の国語ドリル_お話8」です。
いよいよ最終話となりました「クリモモの森」のお話です。
こんな感じで、他の学年も書けたら書いていきたいと思います。
問題文をちゃんと読める子はとても優秀
4ひきのリスたちのお話は、とりあえずこれで一区切りです。
お話を書くのは、別に自由に書いているだけなので大変ではありませんでしたが、そこから問題を作るのは大変でした。
このお話の主人公はリツで、この後彼女は「よいニンゲン」と一緒に「せいたかさん」を守る戦いにいどみます。リツのお父さんはお医者さんで、お母さんは看護師さんです。
フーガは「(老衰で)死にそうなおばあちゃん」を助けたいという気持ちを「わるいニンゲン」に利用され、「せいたかさん」を枯らそうとする悪の勢力に加担します。
ロロは「せいたかさん」の秘密が書かれた本を、それと知らずに持っています。「わるいニンゲン」はその本を探しています。
レルのお母さんは、「必殺仕事人のような、悪いヤツらを闇に葬る公務員」です。身体能力に優れていて、レルはその遺伝で運動が得意な子です。レルもリツとともに、「フーガを取り戻す」ために戦います。お母さんが村に帰ってきたのは、「悪いヤツらがせいたかさんを狙っている」という情報があり、それを警戒するためです。
とはいえ続きは書かないと思うので、最初の部分だけ少し書いてみます。
0
むかしむかし、そのむかし。
クリモモの森の外には、「ニンゲン」という生き物が暮らしていたそうです。
ニンゲンはいつもいばっていて、森や川をよごし、たくさんの生き物をいじめていたそうです。
むかしのことなので本当かどうかはわかりませんが、それでも「みんな」がそういっているのです。
でも、ニンゲンはもういません。
ずっとずっと昔に、みんな死んでしまったといいます。
あたしは、いばっているニンゲンがいなくなって、よかったと思います。
1
今夜は二つの月が、いっしょに一番明るく輝く夜。
村ではこのような夜を、「白い夜」といっています。
この「白い夜」。リスの子どものリツは、変な夢をみました。
変な夢といっても、その夢はリツが暮らす村で一番大きな木「せいたかさん」の幹のふもとで、リツには見慣れた景色でした。
でもその夢には、変なものがでてきました。
リツがみたことのない生き物です。
ほっそりとした、長い手足。
話に聞いたことのある「ニンゲン」のようだと、リツは思いました。
「ニンゲン」は怖い生き物だと、リツは教えられています。でも「それは」、あまりこわそうではありませんでした。
「こんにちは、キミは、だれ?」
それがたずねました。
言葉はわかりました。
「あたし?」
リツが返します。
「うん」
それはうなずきます。
「名前を聞く時は、先に自分の名前をいいなさいって、パパがいってた」
「だから?」
「あなたのおなまえはなんですか? 私は、リツです」
結局リツは、自分から名前をいってしまいました。
「こんばんは、リツちゃん。わたしは、ユイ。苗字も含めるとヤツルギユイっていうけど、ユイでいいよ」
みょうじとは何かわかりませんでしたが、
「ユイは、ニンゲンなの?」
とだけ、リツはたずねました。
「そうだよ」
ユイが答えます。その答えにリツはビクッとなって、体が硬くなりました。
でもすぐに、ユイは首を横に振って
「違う。むかしはニンゲンだったけど、今は違うかな」
と続けて、優しい顔で笑ったのです。
リツにはよくわかりませんでしたが、どうやらユイは「ニンゲン」ではないようです。
だったら安心です。リツの知る限り、この世界には「ニンゲン」ような悪い生き物はいません。
ニンゲンではないのですから、ユイとは仲良くできるでしょう。
「それでね、リツちゃん」
ユイはいい、リツに何かを渡すように手を伸ばしました。
リツも手を伸ばし、それを受け取ります。
「これを、預かってほしいんだ」
そういってユイがリツにわたしたのは、小さな木の実でした。
でも不思議なことに、その木の実はうっすらと光っています。
その光はまるで、夜空に浮かぶ月のような、やさしい光でした。
目を覚ましたとき、リツは夢の内容を忘れていました。
でも小さな木の実を、手に握っていました。
リツはそれを、「なんだろう? これ?」と思いながらも、なんだかとても大切なもののように思えて、宝物入れのビンに入れておくことにしました。
「リツ、おきてる?」
部屋の外から、お母さんの声。
「うん、いまおきた」
お母さんがリツの部屋のドアを開けて、いいました。
「フーガくんのおばあちゃんが倒れたの。もうお年よりだからしかたないけど、お母さん、様子を見に行ってくるから、ちゃんと朝ごはんを食べて学校に行きなさいね」
と、こんな感じです。
では、また。